2024年6月30日日曜日

子羊の人生の目的とは何か?

 

Jenna Page Jai(アメリカ)




子羊のベラは、ミネソタ州の3月の寒い日に生まれました。双子の兄は大きくたくましかったのですが、ベラは小さくひ弱でした。翌朝、母と兄は元気でしたが、ベラは弱っていて寒がっていました。私はベラを抱えて家の中に運び、毛布をかけ、抱き抱えながら、私がベラを愛していること、神もベラを愛していることを伝えました。

ベラが大丈夫な状態になり、温まったので私は彼女を母親のもとに戻しました。それは、子羊があまり長い間離れていると、母親が拒絶してしまうからです。その晩、私はベラが飼い葉桶の下に動かずに横たわっているのを見つけました。私は彼女が死んだと思いました。とても弱っていて、頭を上げるのもやっとでした。私は急いでベラを家に連れ帰り、スポイトで初乳を15分おきに3時間与えました。彼女は夜中には頭を上げることができるようになり、朝には一人で立てるようになりました。

さて、私はジレンマに直面しました。2日間続く大吹雪が始まったのです。ベラを母親のもとに返せば授乳しているかどうかを確認するために必要な頻度でベラをチェックすることが非常に難しくなります。家の中で私と一緒にいればベラは元気になるでしょうが、そうすれば母親に拒絶されてしまうでしょう。

私は彼女を家に置くことにしました。

母親はその後、彼女を拒絶しました。

 

ベラの世話

私はベラに哺乳瓶からミルクを与え、彼女は数週間段ボール箱の中で寝ていました。それを卒業すると、外に出られるくらい暖かくなるまで、「ベビーゲート」(赤ちゃん用の柵)を使ってキッチンの中で飼っていました。

しかし今、ベラは外に出たがりませんでした。彼女は家の中で人と一緒に暮らすのが好きだったのです。家で飼われるようになって2ヶ月、ベラはアイデンティティ・クライシスに陥りました。ベラは自分が羊であることを知りませんでした。他の羊たちも好きではなかったし、関わりたくもなかったのです。他の子羊たちはベラよりずっと大きく、頭をぶつけて彼女を倒すのが好きでした。彼女は彼らを避けました。子羊たちは寝るときには母親と一緒に寝るので、ベラがいつも茂みの下で一人で寝ていて、他の羊たちから遠く離れて草を食んでいるのを見るのは心が痛みました。

 

コットン

真夏になり、私はもう1頭の子羊がやって来ることを知っていました。7月のある美しい午後に、とても柔らかくて白い子羊がやってきたのを目の当たりにしたので、彼女をコットンと名付けました。とても臆病だったベラとは違い、コットンは自信にあふれ、大胆でした。2頭の子羊はすぐに仲良くなり、コットンは自分の母親と過ごすのと同じように、小さなベラと過ごすようになりました。コットンはベラがいるところに駆け寄り、一緒に草を食み、授乳や昼寝の時間になると母親のもとに戻って行きました。

コットンはベラより若く小さかったので、頭でベラにぶつかっても倒すことができず、ベラは遊び半分でコットンにぶつかり返しました。やがて2頭は一緒に遊び、子羊たちがするように面白半分に走ったり空中に飛び跳ねたりするようになりました。コットンはベラに羊になる方法を教えていたのです。



11月になると、ベラは新しい家に行くことになりました。彼女は母親と他の2頭とともに、ペットとして羊を数頭飼いたいという素敵な若い夫婦のもとで暮らすことになりました。コットンの体調が急に悪化したのはすぐこの後の事でした。コットンは生まれつき、排泄が非常に困難な奇形を持っていました。コットンは衰弱し、食べなくなりました。私は手で餌を与えようとしましたが、無駄でした。彼女は瀕死の状態だったのです。

ある晩、瀕死の状態で彼女を見つけた私は、家の中に運び込み、ベラが育った台所の柔らかいタオルの上に置きました。この美しい小さな魂は世界を明るく照らしてくれ、彼女の命がかくも早く終わってしまうことを見る事は、私に深い悲しみを与えるものでした。彼女には長く幸せな人生を送る資格があると感じたのです。私は私たちが聴けるようにHU(ヒュー)のCDをかけました。夜中の3時まで、私は彼女のそばで泣き、撫で、どれだけ愛しているかを伝えました。

 

神の計画

コットンが亡くなった後、私は眠りにつき、すぐに彼女の夢を見ました。夢の中で私たちは一緒に青々とした草や色とりどりの野草が生い茂る、静かで美しい2車線の道を一緒に歩いていました。コットンは私のすぐ前を歩き、道すがら草や花を楽しそうに食べていました。交差点にさしかかると、彼女は突然左折レーンに飛び込み、別の道を歩いていきました。私は車線に立って彼女の行く末を見送ることしかできませんでしたが、彼女が草を食み続けながら足早に去っていくのが見えました。コットンは行き先をちゃんと知っていたし、元気でした。

目が覚めたとき、これが最初から計画されていたことだと理解しました。家のペットとして飼われはじめた小さなベラは、羊としてこの人生を生きるはずでしたが、その方法を知らなかったのです。そこでベラの親友コットンがやってきて、彼女が羊になるために必要なことを教えてくれたのです。これでコットンは使命を果たし、自由に家に帰ることができたのです。

私はそれを見て、この2頭の友だちをできる限り助けられたことに感謝しました。というのも、コットンは、人生を無駄にしたとか、あまりにも早く終わってしまったと考えるように、私たちが人生をいかに簡単にとらえるかを気づかせてくれたからです。時には、人生の完全な目的が非常に短い期間で達成されることもあるのです。

それから間もなく、私はベラとその家族を養子にした若い夫婦に偶然出会いました。彼らは私に、羊たちはとても良い家庭を築いていると言いました。男は首を振り、「特にあのベラは」と付け加えました。

 

 英語版: What Is a Lamb's Life Purpose?



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