2022年8月23日火曜日

スピリチュアル・マスターが獣医を助ける

Sri Harold Klemp




これは、ある獣医と猫、そして動物に特別な関心を持つエック・マスターのプラジャパティ[ECK Master Prajapati]の話です。

物語は 「マイク」 という若い男性から始まります。彼が自転車で浜辺に行くと、サーフ・ボードを見つけました。周りに誰もいなかったので、彼はそれを家に持ち帰り、インターネットの求人・探し物サイトにいき、「落とし物:サーフ・ボード」と投稿しました。

しばらくして、ある獣医から電話がありました。獣医はサーフ・ボードが彼のものと確認し、受け取りの手配をしました。そして、マイクはサーフ・ボードを獣医に届けに行きました。獣医の先生は、「ケン先生」と呼ぶことにしましょう。ケン先生はマイクに、「もしあなたの家族がいつか私の助けを必要とするようなことがあれば、割引をしますよ。」と言いました。

それから間もなくして、マイクの家の猫が重い病気になりました。彼らはこの獣医からの申し出を覚えていたので、猫のシンバを先生のところに連れて行きました。診察室に入ってきた先生は猫を見て、「この猫は重症ですね」と言いました。先生には、猫の体をあちらこちら調べなくても、身体のいたるところに痛みがあるのがわかりました。 

ケン先生は「私はエネルギー療法[Energy Medicine]を実践している数少ない獣医の一人なんですよ。」と言いました。 

このようなエネルギー療法は、遠隔治療とも言われ、カイロ・プラクティックやヒーラーが行うものです。とても効果的ですが、患者を選ぶことがあります。猫がこのような治療を受け入れる事ができるのは、エネルギーにとても敏感だからなのだとおもいます。

シンバが治療を受けている間、マイクの父親はエック・マスターのプラジャパティのことをすべてケン先生に話しました。 

次の日、マイクの母親の「アン」がシンバを訪ねてきました。彼女はシンバがひどい状態になっているのを見て、泣き出してしまいました。

ケン先生が部屋に入ってくると、先生はプラジャパティについていろいろな質問を始めました。そして、プラジャパティについて説明し始めました。「プラジャパティは昨夜、夢の中で私のところに来ましたよ。心配しないでください。彼は、全てがうまくいくと言っていましたよ。」と言いました。 

3日後アンは再び先生のところへ行きました。先生は「血液検査の結果が出ました。コンピュータを見る前に、プラジャパティが今にここにいるかどうかを確認しましょう。」と言いました。彼は目を閉じてコンテンプレーション(スピリチュアルな観想を行い、エック・マスター[ECK Master]が今ここにいることを確認していました。そこでアンは目を閉じて、神への愛の歌である「HU(ヒュー)」を唱え始めました。同時に、ケン先生はプラジャパティに呼びかけました。

少しすると、ケン先生は目を開けて、「彼はここにいますね。肌が、ぞくぞくしています。私は彼の存在を感じますよ。あなたはどうですか?」

アンは 「はい、彼はここにいます。 」と答えました。



それから、ケン先生は、くるりと背なかを向けてコンピュータに向かい、血液テストの結果を見ました。そして、満面の笑みで振り返って、「血液検査はすべて問題がありません。すべて正常です。もうシンバを連れて帰っていいですよ。」と言いました。

ここでのスピリチュアルな学びは、愛はとても強いということです。愛は、聖霊であるエック[ECK]を通して私たちに手を差し伸べることができるということです。 

エック・マスタ-であるプラジャパティの話をしましたね。それは、聖霊に協調しているマスターという意味なのです。この聖霊の愛がエック・マスターのプラジャパティを通して、私達の最も小さな生き物の中の一匹を世話するためにやってきたのです。そして、人生とはこのようなものなのです。



The Master's Talks in A Year of Creativity—2009-10 から抜粋しました


英語版: A Spiritual Master Helps a Veterinarian


 

 


2022年8月8日月曜日

恐怖心を克服したニヤ

 Tammy Attama (アメリカ)

 

喜びに溢れて、私たちは新しい仔犬を迎えました。生まれて間もないこの仔犬は、ひょろっとして、まだ幼い体つきがとても愛らしかったです。私たち家族は彼女を歓迎しましたが、彼女が興奮している様子は、私たちの感じていた興奮とは異なりました。彼女は多くのことに恐怖と不安を感じているようでした。最初は、お母さんや兄弟と別れて、新しい環境にやってきたせいだと思っていましたが、時がたつにつれて、それだけではない事がわかりました。彼女は私たちを家族として受け入れるようになったものの、よその犬たちや他の人の前では臆病になっていたのです。

ある夜、この愛すべき仔犬が私のベッドにあがってきました。足元で丸まっている彼女を、私は手を伸ばして撫でてあげました。私と息子たちはまだこの子の名前を決めていませんでした。いくつかの候補を考えましたが、どれもしっくりこないのです。この事がとても気にかかりました。私は新しい家族に静かに「あなたのこと、なんて名付けたらいいかしら」と聞いてみました。

眠りにつき、夢の世界に入っていくと、私は豊かな愛を感じる空間にいました。やがて黄金色の文字が言葉を形成し始めました。N-I-Y-A-H

目覚めてすぐに、「この言葉は何なのかしら?」と思いました。聞いたことがなかったのでネットで調べてみると、「平和の女神」、「平和な人」という説がありました。

驚いた私は、すやすやと眠っている仔犬に目をやりました。

「ニヤ?あなたの名前はニヤなの?」 彼女は頭をかしげて、目を開きました。彼女は、私が何て問いかけているのか分からないといった風に、じっと私を見つめていました。

OK、素晴らしい名前だわ」と私は納得し、そして、彼女は時間と愛情のもとで成長していきました。

 


 

ニヤをサポートするために、私はたくさんの創意工夫をしました。まず散歩から始めて、飼い主たちが犬を連れて遊ばせている近くの公園まで、自転車で行ったのですが、ニヤは私の後ろに隠れ、よその犬たちが近づくたびに震えていました。どんなに私が安心させてあげても、彼女は怯えていたのです。

自転車に乗っている時間も長くなり、横で走っている彼女が不安なエネルギーを使い果たしたところで、公園に戻ってきました。私と彼女は向き合って座り、私は愛を注ぎました。彼女を落ち着かせると、犬たちが彼女に近づいて後ろから匂いを嗅ぐことを承諾したようでした。私は、犬たちが彼女の視界に入らないようにして、ニヤの顔から少し離れたところで嗅ぐようにさせました。

最初、この新しい方法に彼女は緊張していましたが、ニヤがリラックスするまで撫でたり、優しく話しかけたりしました。彼女の体がほぐれてきたと感じたら、犬や人から離れて、彼女に少しでもほっとする時間を与えてから自転車で帰宅するようにしました。私は彼女を尊重するために、彼女の恐怖心に徐々に触れるようにしました。

 

                   愛に反応したニヤ

 

私たちは毎日、この習慣を実践しました。そして何ヶ月か経った頃、ついにニヤに突破口が開かれたのです。いつものように自転車に乗っていると、一匹の犬が挨拶にやってきました。私は自分のポジションにつき、その犬がニヤの匂いを嗅いでいる間、彼女に小さい声で囁きました。すると突然びっくりするようなことが起きました。彼女は好奇心に満ちた様子で振り返り、その犬の匂いを嗅ぎ始めたのです。「やったね!」

ニヤが犬や人に完全に慣れるまでには、まだ何度も自転車に乗ったり、散歩したりする必要がありましたが、ついに恐怖心を克服することができました。その間、彼女の経験を通して、私自身も多くのことを学びました。私は、自分の意志を横に置いて、彼女のペースに合わせることを学ばなければなりませんでした。彼女の不安がとるに足らない事であり、恐がらなくてもよくても、彼女の進歩に対して歯がゆく感じても、無理矢理「怖くない」と強いることはできませんでした。

時間と愛と思いやりだけが、彼女を救うことができたのです。HU(ヒュー)(神への愛の歌)を唱えることで、私は自分の心を正しい状態に保ち、彼女のために愛のある空間を保つことができたのです。

私はニヤが、恐怖と不安から解放されるという贈り物を、受け取る手助けをしました。しかし、私が彼女に与えたものよりも、受け取ったもののほうがはるかに多かったのです。今日まで、彼女が教えてくれたすべてのことに感謝していますが、いまだに「いったい誰が誰に教えたのだろう?」と思っています。

私のスピリチュアルな師である Sri Harold Klemp は、その美しい著書『ECK Wisdom on Conquering Fear』の中で、「愛は常に恐怖に打ち勝つ」と述べています。

 


 

英語版: Niyah Triumphs Over Fear