2022年10月31日月曜日

アシュリーと子犬、そして愛の名前

Sri Harold Klemp

 




「アシュリー」は、砂漠の町に住む兄のマイクに会うために長い道のりを運転してきました。兄の住む町に着いて、二人は昼食に出かけました。列に並んでいると二人は小さなケージを持っている男性を見かけました。

そこには、とてもかわいい仔犬が入っていました。男性は、「彼は生後6週間なんですよ」と言いました。


「彼の名前は何ですか?」とアシュリーが尋ねました。

男性は、「まだ、彼には名前がないんだ。僕はただ、リトル・ボーイ(チビ助)と呼んでいるんだよ」と言いました。

男性はしばらく考えてから、「彼の名前をつけるのを手伝ってくれませんか」と言ったのです。

アシュレイは思いついた名前があったので、その申し出が気に入りました。

彼女はB-U-D-D-Y(バディ)と言いました。でもその男性は、まったく反応しませんでした。彼女が何も話さなかったかのように。

兄のマイクが、B-U-C-K-Y(バッキー)と言いました。それを聞いた男性の顔は輝き、まるで今まで聞いたこともないような、この世界の中で最も素晴らしい名前だという感じでした。それは、最高の名前だったのです。「彼をバッキーと呼ぶことにします」と彼は言いました。

アシュレイは不思議に思いました。その男性が去った後、彼女は兄に「あの人があの名前を気に入るなんて、おかしいわね。」と言いました。

兄は「彼は、名前じゃなくて、名前の裏にある愛を感じたんだよ」と答えました。マイクの愛犬はバッキーという名前で、マイクはその犬を心から愛していたのです。

そのときアシュレイは、言葉だけでは意味がないことを悟りました。言葉の背後にある感情こそが、私たちが反応するエネルギーを生み出すのです。

いつも、すべては愛に関係しているのです。

 


-The Master's Talks in A Year of Blessing – 2019-20, All for Love”より抜粋


英語版:  Ashley, a Puppy, and a Name of Love


 

2022年10月6日木曜日

牛の放牧地での黄金のひととき

 

Marilyn Sackler(アメリカ

 

動物とあまり時間を過ごしたことのない人は、動物は魂ということをどのように経験するのでしょうか?牛の牧草地の近くでのこの心温まる経験は、私の精神的な視野を広げてくれました。

数年前、夫と私は田舎に住んでいました。私たちの郵便受けは、古い有刺鉄線の柵で囲まれた大きな牛の牧草地の隣の道路の向こう側にありました。私は、その美しい景色の贅沢さを堪能し、野生の牧草地、木々、溝の草、そして静かな自然を楽しみました。

田舎に住むことは私にとって新たな経験でした。幼い頃から、身近に動物がいたことがありませんでした。私たちの土地は30エーカーもあったのですが、動物は飼っていませんでした。私は動物が人間と同じように、魂であることを知っていましたが、その経験は、これまでとてもわずかなものでした。

毎日、郵便物を取りに道を歩いている間、私は神への愛の歌の「HU」(ヒュー)を唱えることにしていました。私はいつもこの非指示的な祈りを楽しんでいますが、この完璧な日の祈りは、特に意味深いものでした。空は青く、雲は白く膨らみ、鳥のさえずりや虫の声が聞こえました。私は愛と感謝で満たされていました。

郵便受けに近づくと、たくさんの牛たちが、広大な畑の柵の近くで草を食みながら、その日を楽しんでいるのが見えました。私はいつも、牛が近くにいたら、歌を歌ってあげることにしています。何ヶ月かの間、毎日の散歩で私が HU(ヒュー)を唱えると、何頭かは顔を上げ、何頭かは歩いて近づいてきました。しかし、ほとんどの場合、彼らは私を無視して幸せそうに、ムシャムシャと食べ続けていました。

              



黄金の瞬間

その日、私は自然と一体となって、郵便物を手に取り、大きな声でHU(ヒュー)を唱えながら柵に近づきました。大きな黒い牛が、膝の高さまである雑草と野花の中に立っている私の柵のすぐ傍までやって来ました。

私はもっと大きな声で唱え始めました。そして、勇気を出して古い柵の上から手を伸ばし、黒い牛の頭を撫でました。私は動物がそれほど好きではないのですが、その柔らかくて絹のような毛並みに触れて良い気持ちになりました。

すると、牛の美しい瞳からゆっくりと大粒の涙が溢れ出し、顔を伝って流れていったのです。私たちはしばらく見つめ合っていましたが、その大きな「牛の茶色い目」は、私のことをじっと見つめているようでした。

それはもはや、牛と人間ではなく、完全に魂と魂でした。この牛の魂は、すべての音の中に存在する音「HU」(ヒュー)の愛を感じて、つながることができたのです。私はこの完璧な瞬間に感動しました。 



       

スピリチュアルなサプライズ 

その日、街に出ると、その牛の飼い主に会いました。私は、その牛と私の間に起こったことを話しました。彼は年配の善良な紳士で、長い間、肉牛を育てている人でした。私は「お宅の牛に歌を唄っていたら、一頭が柵まで歩いてきて、撫でさせてくれたんですよ」と言いました。

その牧場主は、信じられないと言いました。「あなたが撫でていたのは牛ではなく、とても意地悪で攻撃的な雄牛だったんですよ!」と。彼は、その黒い牛が私に近づいてきたこと、ましてや私に撫でさせてくれたことに、とても驚いていました。

私は満面の笑みでその場を立ち去りました。これは本当に、魂が魂に手を差しのべた黄金の瞬間だったのです。私の心は、この素晴らしい経験への感謝で溢れました。

それは、いわゆる意地悪な牛でさえ、その神聖な音を聞いて、魂の呼びかけにつながることができるということを証明してくれたのです。

 

英語版: A Golden Moment in a Cow Pasture