2024年6月30日日曜日

子羊の人生の目的とは何か?

 

Jenna Page Jai(アメリカ)




子羊のベラは、ミネソタ州の3月の寒い日に生まれました。双子の兄は大きくたくましかったのですが、ベラは小さくひ弱でした。翌朝、母と兄は元気でしたが、ベラは弱っていて寒がっていました。私はベラを抱えて家の中に運び、毛布をかけ、抱き抱えながら、私がベラを愛していること、神もベラを愛していることを伝えました。

ベラが大丈夫な状態になり、温まったので私は彼女を母親のもとに戻しました。それは、子羊があまり長い間離れていると、母親が拒絶してしまうからです。その晩、私はベラが飼い葉桶の下に動かずに横たわっているのを見つけました。私は彼女が死んだと思いました。とても弱っていて、頭を上げるのもやっとでした。私は急いでベラを家に連れ帰り、スポイトで初乳を15分おきに3時間与えました。彼女は夜中には頭を上げることができるようになり、朝には一人で立てるようになりました。

さて、私はジレンマに直面しました。2日間続く大吹雪が始まったのです。ベラを母親のもとに返せば授乳しているかどうかを確認するために必要な頻度でベラをチェックすることが非常に難しくなります。家の中で私と一緒にいればベラは元気になるでしょうが、そうすれば母親に拒絶されてしまうでしょう。

私は彼女を家に置くことにしました。

母親はその後、彼女を拒絶しました。

 

ベラの世話

私はベラに哺乳瓶からミルクを与え、彼女は数週間段ボール箱の中で寝ていました。それを卒業すると、外に出られるくらい暖かくなるまで、「ベビーゲート」(赤ちゃん用の柵)を使ってキッチンの中で飼っていました。

しかし今、ベラは外に出たがりませんでした。彼女は家の中で人と一緒に暮らすのが好きだったのです。家で飼われるようになって2ヶ月、ベラはアイデンティティ・クライシスに陥りました。ベラは自分が羊であることを知りませんでした。他の羊たちも好きではなかったし、関わりたくもなかったのです。他の子羊たちはベラよりずっと大きく、頭をぶつけて彼女を倒すのが好きでした。彼女は彼らを避けました。子羊たちは寝るときには母親と一緒に寝るので、ベラがいつも茂みの下で一人で寝ていて、他の羊たちから遠く離れて草を食んでいるのを見るのは心が痛みました。

 

コットン

真夏になり、私はもう1頭の子羊がやって来ることを知っていました。7月のある美しい午後に、とても柔らかくて白い子羊がやってきたのを目の当たりにしたので、彼女をコットンと名付けました。とても臆病だったベラとは違い、コットンは自信にあふれ、大胆でした。2頭の子羊はすぐに仲良くなり、コットンは自分の母親と過ごすのと同じように、小さなベラと過ごすようになりました。コットンはベラがいるところに駆け寄り、一緒に草を食み、授乳や昼寝の時間になると母親のもとに戻って行きました。

コットンはベラより若く小さかったので、頭でベラにぶつかっても倒すことができず、ベラは遊び半分でコットンにぶつかり返しました。やがて2頭は一緒に遊び、子羊たちがするように面白半分に走ったり空中に飛び跳ねたりするようになりました。コットンはベラに羊になる方法を教えていたのです。



11月になると、ベラは新しい家に行くことになりました。彼女は母親と他の2頭とともに、ペットとして羊を数頭飼いたいという素敵な若い夫婦のもとで暮らすことになりました。コットンの体調が急に悪化したのはすぐこの後の事でした。コットンは生まれつき、排泄が非常に困難な奇形を持っていました。コットンは衰弱し、食べなくなりました。私は手で餌を与えようとしましたが、無駄でした。彼女は瀕死の状態だったのです。

ある晩、瀕死の状態で彼女を見つけた私は、家の中に運び込み、ベラが育った台所の柔らかいタオルの上に置きました。この美しい小さな魂は世界を明るく照らしてくれ、彼女の命がかくも早く終わってしまうことを見る事は、私に深い悲しみを与えるものでした。彼女には長く幸せな人生を送る資格があると感じたのです。私は私たちが聴けるようにHU(ヒュー)のCDをかけました。夜中の3時まで、私は彼女のそばで泣き、撫で、どれだけ愛しているかを伝えました。

 

神の計画

コットンが亡くなった後、私は眠りにつき、すぐに彼女の夢を見ました。夢の中で私たちは一緒に青々とした草や色とりどりの野草が生い茂る、静かで美しい2車線の道を一緒に歩いていました。コットンは私のすぐ前を歩き、道すがら草や花を楽しそうに食べていました。交差点にさしかかると、彼女は突然左折レーンに飛び込み、別の道を歩いていきました。私は車線に立って彼女の行く末を見送ることしかできませんでしたが、彼女が草を食み続けながら足早に去っていくのが見えました。コットンは行き先をちゃんと知っていたし、元気でした。

目が覚めたとき、これが最初から計画されていたことだと理解しました。家のペットとして飼われはじめた小さなベラは、羊としてこの人生を生きるはずでしたが、その方法を知らなかったのです。そこでベラの親友コットンがやってきて、彼女が羊になるために必要なことを教えてくれたのです。これでコットンは使命を果たし、自由に家に帰ることができたのです。

私はそれを見て、この2頭の友だちをできる限り助けられたことに感謝しました。というのも、コットンは、人生を無駄にしたとか、あまりにも早く終わってしまったと考えるように、私たちが人生をいかに簡単にとらえるかを気づかせてくれたからです。時には、人生の完全な目的が非常に短い期間で達成されることもあるのです。

それから間もなく、私はベラとその家族を養子にした若い夫婦に偶然出会いました。彼らは私に、羊たちはとても良い家庭を築いていると言いました。男は首を振り、「特にあのベラは」と付け加えました。

 

 英語版: What Is a Lamb's Life Purpose?



2024年5月31日金曜日

雌鶏の新しい家探し

Carol Sims (あめりか)


最近、私は前庭で造園業者のトムと茂みの除去について話し合っていました。たまたま我が家と隣の家の間に目をやると、美しい白い雌鶏がいる事に気づきました。

私たちは、1960年代に建てられたランチ・ハウス(農園風建築様式)が建ち並び、各棟が3メートルしか離れていない地域に住んでいます。私の家の前庭から雌鶏が見える場所に行くには、1.8メートルの裏庭のフェンスを飛び越え、23本のワイヤーと棘だらけの茂みを通り抜けなければなりませんでした。

私が「ナゲット」を見つけたとき、隣人が玄関から出てきました。「マイク、お宅のニワトリが私たちの家の間にいるわよ!」と私は叫びました。

彼は、鶏小屋でトラブルがあったと説明しました。何をしてもアライグマが侵入してくるのです。この鶏は6羽の群れの最後の1羽でした。マイクがその都度小屋を修理しても、アライグマは侵入し続けていたのです。かわいそうなナゲットはとても怖かったに違いないのです。 


ナゲットの新居探し

私はマイクの妻、アリーナに、この雌鶏の為に新しい家を探したいかを尋ねました。すると、彼女は手助けに感謝しました。そして私は家に入り、友人にメールを送り始めました。「鶏の里親になってくれる人を知りませんか?」と。

最初は誰も見つかりませんでした。動物保護団体の友人クリスティンと他の友人と私は探し続けました。

そしてついに、友人のクリスティンが、ヘスペリアの農場から60マイル(約60キロ)車を走らせ、翌日ナゲットを引き取りに来てくれることになりました。なんという黄金の心なのでしょう!

アリーナはナゲットの安全な新居が見つかったことを喜んでいました。彼女はその夜、近所の覆面侵入者からナゲットを守るため、ナゲットをガレージの中にとどめておく手はずを整えました。翌日の正午、ナゲットは新しい永遠の家へと向かいました。

その日の夕方には、ナゲットはすぐに家になじんで、新しい白い雌鶏の仲間もできて、その雌鶏がナゲットに手ほどきをしていると聞いて、私たちはみんなとても嬉しくなりました。

 


偶然? 

ナゲットの新しい終の棲家がいかに完璧であったかを聞いたとき、その日ナゲットを見かけたのは幸せな偶然以上のものであったことに気づきました!彼女は積極的に私に助けを求めたのだと思います。彼女は私の裏庭に入ってくる勇気がなかったのです。私の愛犬、レディとラズが彼女を友達だと認識しなかったかもしれないからです。彼女は命と翼を危険にさらして、私が彼女を見える場所まで来てくれたのです。私にとって、これは神がいかに自らを助けるソウル(魂)を助けるかを示す良い例でした。

そのとき、もうひとつ驚くべきことがわかりました: マイクがあの時、状況を説明できるように、正確で適切な瞬間に家から出てくるように聖霊はすべてを取り計らっていたのです。

私は、ナゲットが助けを求めているのを見逃さなかったことに、とても感謝しています。彼女の人生を変える冒険を手助けする媒体の一人になれたことを光栄に思います。困っている他のソウル(魂)のサポートをする機会を得られるように、常にアンテナを張っていたいと思います。

 

英語版: Helping a Hen Find Her New Home 



2024年4月30日火曜日

おばあちゃん猫を迎えた話

 

Linda Anderson, United States


猫に飼われた」ことがある人なら、猫との友情がない生活など、考えられないことが分かるでしょう。私たちが最後に飼っていた猫、カドルズは18歳で亡くなりました。彼女がいなくなった悲しみから癒されて、新しい猫の養子縁組を考え始めたのは、1年後のことでした。

でも、私たちの家族にはどんなタイプの猫がベストなのでしょう?より多くの愛を互いに与え、受けとり、そして私たちの心を開くのは、どんな猫なのでしょう?

私の家には、12歳のまだ元気なコッカー・スパニエルがいます。前の猫は、犬に追いかけられるのが好きじゃないと彼に分からせるために、引っ掻いたり、シャーという音を出してヒステリーを起こしていました。

そして我が家のオカメ・インコ、サンシャインは26歳。彼は、鳥かごの上にサッと飛び乗ってくるような若い猫は、間違いなく求めていません。

猫の救助隊はシニア猫の里親を探すのにとても苦労しています。人々は可愛い仔猫を探しているからです。

私たちの家族が高齢であることと、シニア猫の里親探しが難しいという状況を考えて、私たちは、シニア猫を探すことにしました。

どこで、助けをもとめられるのか?

私たちはエッカンカーのメンバーなので、夫のアレンと私は、エック・マスター達に助けを求め、助けてもらうことの素晴らしさをよく知っています。エック・マスターとは、より多くの愛がその人の人生に入ってくるのを妨げる障害を取り除くことができる、スピリチュアルなマスター達のことです。そしてプラジャパテイは、動物を助けることを使命とする エック・マスターです。私は、プラジャパテイと私の内なるガイドのマハンタに、高齢なアンダーソン家にぴったりのシニア猫を探してくれるように頼みました。

数ヶ月間、アレンと私はペットとのマッチング・サポート・サイトをインターネットで探し回りました。動物はスピリチュアルな存在なので、他の魂と契約をして、お互いに成長していくことがわかっています。人生のこの段階で、どの魂が私たちと一緒に暮すことになっているのでしょう?私たちは車で動物保護施設を訪れ、ケージの中で待っている猫や、お世話をしている素晴らしい人たちの家を訪ねました。しかし、どの子も私たちには合わないように思えました。

ある夜私は、夢の中で、美しい毛足の長いグレーの猫を抱いていました。猫は神の愛の光で輝くエメラルド・グリーンの瞳で私を見つめていました。自分の内側から、これは、あなたの猫です」という声がきこえてきました。




どこに行けば、この魅力的な生き物を見つけることができるのでしょう?

ペットの里親募集サイトを調べてみると、夢で会った猫に似ているような猫が見つかりました。このかわいそうな猫は、グレーのもじゃもじゃの毛を全部カットしなければいけない状態でシェルターに連れて来られたので、見分けるのが大変でした。3ヵ月間彼女の毛は、完全には元には戻りませんでした。彼女は短い間に多くの経験をしました。家を失い、一緒に連れて来られた親友猫ともお別れをし、歯を抜かれて、毛までも失ってしまったのです。

このシェルターは、新しい家族が必要な猫にプライドをもってベストな治療をする動物病院が運営していました。捨てられた猫は深刻な健康上の問題を抱えていて、そのためには高額な医療費がかかるため、素晴らしいサービスを提供しています。その動物病院は、私の職場の近くにありました。

初夏のある日、猫好きの同僚マイケルと私は、昼休みに車でグレーの猫に会いに出かけたのです。

あなたがあの猫なの?


マイケルと私が仔猫たちのいる部屋に入ったとき、私が見た写真のグレーの猫は、部屋の隅にあるカーペット敷きの背の高い家具(仔猫用の家)から飛び降りてきました。まるで旧友に再会したかのように、私に駆け寄ってきたのです。私は彼女こそ、夢で私が抱いた猫のように感じました。 

私たちはお互いに魂として分かりあっていたのでしょうか?彼女も、私を夢に見ていたのでしょうか?

Animals are Soul Too!」の中で、ハロルド・クレンプはこう書いています。

動物たちは、私たちの助けが必要なため、私たちを探してくることがあります。彼らは、そばにいる人が神聖なスピリット、神聖な愛に心を開いているか、感じることができるのです。動物は魂です。内側からの声や直感に従っているのかもしれませんし、夢の中で学んだことを行動に移しているのかもしれません。

そう、動物も夢を見るのです。

「ミス・グレイ」

受付の人がグレーの猫の名前を教えてくれました。私はその名前はひどいな、と思い、彼女の個性には、全く合っていないと思いました。私はその名前で呼ぶのはやめて、今のところは「ミス・グレイ」と呼ぶことにしました。

私が小さな部屋のベンチに座ると、10匹ほどの猫が集まっていました。ミス・グレイを見つめると、私と同じぐらい熱いまなざしをこちらに向けています。すると、仔猫の三毛猫がすぐに私の隣に陣取りました。そして私の足に擦り寄り、いかにも愛嬌のある仔猫であることを見せ始めたのです。

使命を果たした小さな三毛猫は、床に飛び降りていきました。彼女は、かくれんぼができるような長いシワのよった筒に気を取られてしまいました。ライバルが私の愛情を勝ち取っているのではないかと感じたミス・グレイは、前足で筒の端を塞ぎ、仔猫が外に出られないようにしました。ミス・グレイは、私は彼女だけものだと、サインを送っているようでした。

ミス・グレイにHU(ヒュー)を歌う

ECK(エック)では、魂の繋がりを照らすスピリチュアルなテクニックをたくさん学びました。悩みがあるとき、問題を解決したいとき、私はHUを唱えます。何十年もの間、私は動物たちに「HU(ヒュー)」を唱え、その反応を見て喜んだり驚いたりしてきました。

マイケルはロビーに行き、私はミス・グレイや他の猫たちだけになりました。「私と一緒に家に帰りたい?」と彼女に尋ねてみました

私はミス・グレイに我が家の犬と鳥、夫について話をしました。そして、HU(ヒュー)を唱えました。ミス・グレイは私がHU(ヒュー)を唱える12分の間、強い眼差しで私を見上げていました。その時、彼女から「はい、私はここから出る準備ができています。ええ、私は家の窓から鳥を見たことがあります。犬っていうものが何かは、わかりません」というメッセージとイメージをはっきりと感じ取ったのです。

獣医技術者が部屋にやってきて、ミス・グレイの過去を話してくれました。彼女によると、この猫はとてもシャイ(引っ込み思案)だったそうで、それには驚きました。私が部屋に入ってきたとき、彼女は部屋を横切って飛び降りてきて挨拶しに来たし、三毛猫の仔猫の気をそらし、負けまいとしていたではないですか。彼女は「シャイと呼ばれる猫じゃないわよ」、とはっきり示してくれたのです。

彼女は夢で出会った猫でしたがシニア猫を家に迎え入れる重大な決断は夫と話し合わなければいけないと説明しました。獣医には、里親募集の申し込みをすることを伝えました。もし、私たちが休暇から戻ってきて、1週間後にミス・グレイがまだいればアレンと私はきっとこの子を養子にするだろうと考えていました。

獣医は、ミス・グレイを腕の中にすくい上げました。猫の爪が彼女の袖に引っかかると、獣医はこの子には爪の手入れが必要だと言いました。獣医は、恐ろしい爪切りをするためにミス・グレイを連れて行きました。

その時の彼女のがっかりした悲しい表情と、心の奥底からの苦しげな鳴き声に、私は胸が締め付けられそうでした。あとでマイケルが言うには、このかわいそうな反応は、劇や小説の「すべてが失われた」という場面を思い起こさせたといいました。この時ミス・グレイは、もらってくれる家が見つかったという望みが奪われてしまったと、思ったようでした。 

もう一つの夢

私は、ミス・グレイを養子にすることが私たちのために本当に良いことか、わかるようにもう一度サインをくださいと、マハンタに頼みました。

休暇から戻った夜、私は何年も忘れていた歌が頭の中で流れているのを聞いて、目を覚ましました。その歌詞は、"The sweetest thing I've ever know is loving you." (私が知っている中で最も甘美と感じることは、あなたを愛すること)でした。

翌朝、私と夫はシェルターに戻り、ミス・グレイを養子にしました。養子縁組の書類を書くために待っている間、アレンは猫達の訪問部屋の窓を覗きました。ミス・グレイはドアのそばでじっと待っていました。彼女は私たちが迎えに来ることを知っていたのです。私たちが彼女を家に連れて帰るために猫用のキャリーを床に置くと、彼女はすぐに駆け寄ってきました。

受付では、猫に新しい名前をつけるかどうか尋ねられました。私は「はい」と熱意を込めて答えました。「彼女の名前はスウィーティーです」。

私たちはスウィーティーを少しずつ我が家の犬と鳥に紹介しています。この移行期間中、我が家の2階で、スウィーティーは、猫ならではの隠れ場所を見つけています。彼女は、新しい家の景色、音、初めて出会う物事にゆっくりと順応しています。



家に来て2日目の午後、私は彼女のグレーの毛をブラッシングしながら「HU(ヒュー)」を唱えてあげました。彼女は初めてゴロゴロと喉を鳴らしました。

私たちは、スウィーティーが彼女の新しい名前にぴったりだと感じています。

乞うご期待!

コンテンプレーション(スピリチュアルな観想)の種

新しい家族としてのペットとスピリチュアルな体験をしたことがありますか?


英語版: Bringing Home a Senior Cat










2024年3月31日日曜日

農場のガチョウに飛び方を教えるには?

 Patrick Dongvillo, アメリカ  

 

嵐の夜、車で家に帰ろうとしたとき、突然ヘッドライトが農場の車道に立つ一羽のガチョウの姿を浮かび上がらせました。このガチョウはここにいるはずがなく、納屋にいるはずだ、と私は思いました。安全な農場で飼われているガチョウは、飛べるようになることはなく、ただ太って幸せになるだけなのです。だからこのはぐれたガチョウは、腹を空かせたコヨーテのカモになる可能性が高いのです。 

しかし私は暖かく乾いた車の中にいて、外出着を着ていました。外は雨が降り、寒く、風が強かったのです。私の内なる導きが「やりなさい」と言ったにもかかわらず、私の心はガチョウが自分の世話は自分でできると納得しようとしていました。結局のところ、ガチョウはその鋭い爪と噛みつきそうなくちばしで、大きくて厄介な戦いを挑むこともできるのです。それに普通は、ガチョウに気づかれずに近づくことはできないのです。

しかし結局、私は降参し、嵐と怪我を覚悟でガチョウを助けました。

翌朝、ガチョウのために納屋の扉を開けると、栄養過多で怠惰なカウチ・ポテトの群れがよちよちと出てきました。

すると突然、すらりとした軽やかなガチョウが上空に舞い上がり、空気が炸裂しました。私は口を開いたままその場に立ち尽くし、この謎の旅人が朝の光の中に消えていくのを見送りました。群れに目をやると、30羽のガチョウが全部、片方に頭をかしげて、仲間のガチョウが空高く飛んでいく素晴らしい光景を眺めていました。唖然としながら、私は前夜、農場のガチョウではなく野生の北アメリカ大陸に生息する雁の仲カナダ・ガチョウを救うために奮闘したのだと悟りました。

 


私は飛べる。誰が知っていたのでしょう? 

その後に起こったことは、私にとってさらに信じがたいことであり、大きな変容をもたらしました。

その日から数ヵ月間、群れ全体が、一羽残らず普段過ごしている安心できる納屋や干潟を離れ、牧草地の一番高いところまで登ったのです。そこで私が驚いたことに、彼らは自分たちで飛ぶ練習をしていたのです。羽ばたき、鳴きながら斜面を駆け下りるのです。

最初は、ほんの数羽しか空中に浮くことができませんでした。しかし、やがて多くの鳥たちが力をつけ、地面から90㎝~150㎝から最大24mまで滑空できるようになりました。

私は、可能性を垣間見ただけで、彼らがこれほど長い間粘り続けたことに驚きました。そして彼らは素晴らしい結果を残したのです。このガチョウたちは常に飛べる可能性を持っていましたが、あの野生のカナダ・ガチョウを実際に見るまでは、彼らは納屋の周りをつつくことしかしたことがなかったのです。

今、彼らは普段の安全・安心から遠く離れ、目標を達成するために努力し、どこまでも舞い上がることを学んだのです。そして納屋にいるときでさえ、自由を謳歌しながら野原を飛び回りました。

 


マハンタ(私の内なるスピリチュアル・ガイド)は、私にとても重要なことを教えてくれていました。私はこのガチョウたちとは違う。私は自分の快適ゾーンや安全な場所から飛び出すことを恐れません。ヨチヨチ歩くカウチ・ポテトではないのです。しかし実際には、私たちは皆、愚かなガチョウを少しは持っているのだろうと思います。しかし、時に必要なのは、私たちの中の誰かが飛び立つのを見ることだけなのです。そして突然、私たちは自分が本当は何者なのかを思い出すのです。

私にとってこの体験は、内的なマスターが、私たちが神の偉大なるスピリチュアルな存在であるソウル(魂)であることを強く思い起こしてくれるものでした。そして、私たちは納屋で餌をつつくような日々を送る必要はないのです。

エックでは、スピリチュアルなエクササイズ、創造性、忍耐力を実践することで、私たちは本当にスピリチュアルに飛翔することができます。私たちは想像以上に自由になれるのです!

 

英語版: How Do You Teach Farm Geese to Fly?


 

2024年2月29日木曜日

サウンド・オブ・ソウル(魂の音)に応えるジャーマン・シェパード

 Tammy Attama(アメリカ)


Miracles in Your Life”(あなたの人生の奇跡)というエッカンカーのビデオを初めて見たときから、これは特別なものだと思いました。その映像では、聖なる魂の音である「HU(ヒュー)」が紹介されています。BGMのメロディーは気持ちを落ち着かせてくれて、写真はとても美しく、感動的な言葉は心に響きます。



ある日、私はいとこ夫婦の家で、彼らの子供のオーウェンの子守を申し出ました。彼らは警察官で、夜勤をしていたので、私は喜んで子守をしました。申し出た時には思ってもみませんでしたが、このいとこのペットのジャーマン・シェパードのケイシーが、Miracles in Your Life (あなたの人生の奇跡)のビデオに映し出された愛の側面を見せてくれました。

オーウェンの世話をしに来てすぐ、ケイシーは、赤ちゃんの世話を私と同じように自分の責任だと思っていることを、はっきりと示しながらその任務を果たしていました。ケイシーは、私と赤ちゃんの一挙手一投足を観察し、家の中を私たちについて回るのです。オーウェンが床に寝転んで遊んでいると、ケイシーは、時々クンクンと鼻を鳴らしては、赤ちゃんが大丈夫か、確認をしていました。ケイシーがこの大切な赤ちゃんを愛情深く世話している様子を見ているだけで、私の心は開いていきました。

ある晩、オーウェンはどうあやしても、泣き止みませんでした。何をしても気に入りません。基本的な体の欲求を満たしてあげても、彼は一向に泣き止みません。私は歌を歌ったり、歩きまわったり、揺らしたり、あやしたりしてみましたが、その間中、ケイシーは神経質な母親のように行ったり来たりしていました。

新しいよいアイデアはないかと考えていると、ある考えが頭に浮かびました。Miracles in Your Life (あなたの人生の奇跡)のビデオをかけてみたらどうだろう?心地よいBGMが、オーウェンに必要なものかもしれないと思いました。

私はスピーカーのスイッチを入れ、携帯電話で短いビデオを再生しました。それに合わせて流れる音楽は、まるで子守唄のように心を落ち着つかせてくれるものでした。オーウェンは一瞬にして泣き止みました。しかし、ケイシーの反応に、私は驚きました。



音楽が始まると、ケイシーはすぐに意識を集中しました。最初は真剣に耳を傾けていました。そして、次にソファに飛び乗り、まるで人間がコンテンプレーション(スピリチュアルな観想)をしているかのような姿勢を取っています。足を前に伸ばして、まっすぐに座っているのです。そして、Miracles in Your LifeHU(ヒュー)の歌声によく似た遠吠えを始めたとき、私は驚いてしまいました。

その後も何度か再生したのですが、ケイシーの反応はいつも同じでした。再生するたびに、このかわいいソウル(魂)は、3分間の映像に合わせてHU(ヒュー)を歌っているかのように遠吠えをしました。





私は彼女の反応を記録することにしました。ケイシーは、いつも同じ反応で私の期待を裏切りませんでした。この楽しい思い出は、私の心の中だけでなく、映像として何度も見ることができ、楽しむことができるのですから。

スリ・ハロルド・クレンプはハロルド・クレンプ著『The Sound of Soul』の中で、「愛は愛なのです。そして、あなたは愛そのものです。HU(ヒュー)はサウンド・オブ・ソウル(魂の音)と書かれています。

ケイシーは魂の音をわかっていたのだと思います。

 

 

コンテューション (スピリチュアルな観想) の種

ハロルド・クレンプ著「The Sound of Soul」より

あなたは、心を開くことでソウル(魂)として誰であり、何であるのかというより深い気づきを得る事ができるでしょう。HU(ヒュー)を唱えることで、それができるようになります。内的に唱えたり、声に出して唱えたりします。ただ、毎日行いましょう。

HU(ヒュー)はあなたの秘密の世界を開く鍵です。この鍵を使うことを学べば、自分の内的な世界と外的な世界が融合することに気づくでしょう。そして、あなたは自分が愛で満たされていくことに気づくでしょう。

 

英語版: A German Shepherd Responds to the Sound of Soul