2024年3月31日日曜日

農場のガチョウに飛び方を教えるには?

 Patrick Dongvillo, アメリカ  

 

嵐の夜、車で家に帰ろうとしたとき、突然ヘッドライトが農場の車道に立つ一羽のガチョウの姿を浮かび上がらせました。このガチョウはここにいるはずがなく、納屋にいるはずだ、と私は思いました。安全な農場で飼われているガチョウは、飛べるようになることはなく、ただ太って幸せになるだけなのです。だからこのはぐれたガチョウは、腹を空かせたコヨーテのカモになる可能性が高いのです。 

しかし私は暖かく乾いた車の中にいて、外出着を着ていました。外は雨が降り、寒く、風が強かったのです。私の内なる導きが「やりなさい」と言ったにもかかわらず、私の心はガチョウが自分の世話は自分でできると納得しようとしていました。結局のところ、ガチョウはその鋭い爪と噛みつきそうなくちばしで、大きくて厄介な戦いを挑むこともできるのです。それに普通は、ガチョウに気づかれずに近づくことはできないのです。

しかし結局、私は降参し、嵐と怪我を覚悟でガチョウを助けました。

翌朝、ガチョウのために納屋の扉を開けると、栄養過多で怠惰なカウチ・ポテトの群れがよちよちと出てきました。

すると突然、すらりとした軽やかなガチョウが上空に舞い上がり、空気が炸裂しました。私は口を開いたままその場に立ち尽くし、この謎の旅人が朝の光の中に消えていくのを見送りました。群れに目をやると、30羽のガチョウが全部、片方に頭をかしげて、仲間のガチョウが空高く飛んでいく素晴らしい光景を眺めていました。唖然としながら、私は前夜、農場のガチョウではなく野生の北アメリカ大陸に生息する雁の仲カナダ・ガチョウを救うために奮闘したのだと悟りました。

 


私は飛べる。誰が知っていたのでしょう? 

その後に起こったことは、私にとってさらに信じがたいことであり、大きな変容をもたらしました。

その日から数ヵ月間、群れ全体が、一羽残らず普段過ごしている安心できる納屋や干潟を離れ、牧草地の一番高いところまで登ったのです。そこで私が驚いたことに、彼らは自分たちで飛ぶ練習をしていたのです。羽ばたき、鳴きながら斜面を駆け下りるのです。

最初は、ほんの数羽しか空中に浮くことができませんでした。しかし、やがて多くの鳥たちが力をつけ、地面から90㎝~150㎝から最大24mまで滑空できるようになりました。

私は、可能性を垣間見ただけで、彼らがこれほど長い間粘り続けたことに驚きました。そして彼らは素晴らしい結果を残したのです。このガチョウたちは常に飛べる可能性を持っていましたが、あの野生のカナダ・ガチョウを実際に見るまでは、彼らは納屋の周りをつつくことしかしたことがなかったのです。

今、彼らは普段の安全・安心から遠く離れ、目標を達成するために努力し、どこまでも舞い上がることを学んだのです。そして納屋にいるときでさえ、自由を謳歌しながら野原を飛び回りました。

 


マハンタ(私の内なるスピリチュアル・ガイド)は、私にとても重要なことを教えてくれていました。私はこのガチョウたちとは違う。私は自分の快適ゾーンや安全な場所から飛び出すことを恐れません。ヨチヨチ歩くカウチ・ポテトではないのです。しかし実際には、私たちは皆、愚かなガチョウを少しは持っているのだろうと思います。しかし、時に必要なのは、私たちの中の誰かが飛び立つのを見ることだけなのです。そして突然、私たちは自分が本当は何者なのかを思い出すのです。

私にとってこの体験は、内的なマスターが、私たちが神の偉大なるスピリチュアルな存在であるソウル(魂)であることを強く思い起こしてくれるものでした。そして、私たちは納屋で餌をつつくような日々を送る必要はないのです。

エックでは、スピリチュアルなエクササイズ、創造性、忍耐力を実践することで、私たちは本当にスピリチュアルに飛翔することができます。私たちは想像以上に自由になれるのです!

 

英語版: How Do You Teach Farm Geese to Fly?