2023年6月24日土曜日

そり犬とともに過去世を解放する

 M. Jane Hocking(アメリカ)     


私たちがまだ若く、アラスカに住んでいたとき、夫と私はそり犬を飼っていました。夫はレースにも出場していましたが、私はチームの運営を楽しむことはできませんでした。美しい景色と犬の仲間がいれば、マッシングという犬ぞりレースは喜びを与えてくれるはずなのに、心の底には、恐れの気持ちのようなものがつかえていました。しかし、私は子犬を育て、先導犬を訓練し、古い道を見つけて整備することが好きだったので、そりに関わる仕事に集中していました。 

私の先導犬のディジーは、私たちが育てた最後の子犬の1頭として生まれました。生まれたときから、私たちは特別な絆で結ばれていました。そのディジーが、まだ若いのに、突然走らなくなったのです。普通のそり犬は、ハーネスやそりを見ると大喜びするのですが、ディジーはハウスの上で銅像のように座り、私から顔をそむけました。物理的な理由は見つからず、ただ引退を宣言したのです。私もチームを走らせることが少なくなり、そして私も引退しました。



ある日、私はコンテンプレーション(スピリチュアルな観想)を行っている時に、自分が高い丘の上を歩いているのを見ました。頂上についた時に古い恐怖感を覚え、その理由を自問自答しました。

すると一瞬にして、丘の上の景色から、100年から200年前の晩冬の日差しが降り注ぐ白樺の森に場面が移りました。その当時の私は、カナダやアメリカ北部に住む先住民やメティス(先住民族とヨーロッパ人の血を引く人)でした。私は、冬に獲った毛皮を売るために、犬チームを率いて交易所に向かっていました。コンテンプレーション(スピリチュアルな観想)の中で内なる声が、私は犬と毛皮のために殺されるのだと告げました。その声は、私の遺体が埋葬されるオンタリオ州の農場の名前も教えてくれたのです。そり犬チームを走らせるのが怖いと思う気持ちは、これで納得がいきました!今生で犬ぞりを走らせるたびに、私は無意識のうちに、過去世での死へのアプローチを再び体験していたのです。

私は、過去世から引き続き持っていた荷物を手放す事に決め、そりに恐怖心を積んで、最後の一走りを行う為に私の昔からいる犬たちをつなぎました。私たちは、短い周回コースを走り、折り返し地点で前世の記憶を捨てるのです。




私はハーネスを集め、犬たちのところへ運びました。驚いたことに、ディジーは他の犬たちと一緒に飛び跳ね、喜びの声を上げていました。私は本能的に、あの時ディジーが私を守ろうとして死んでいったことを知りました。明らかに彼女も、過去を手放す必要があったのです。

あの日と同じように、この日も晩冬の日差しが明るい日でした。ディジーと私は、その象徴的な走りの中で、あの過去世の残滓を捨て、軽やかな心で「今」の自由へと戻ってきました。


 

スピリチュアルな観想の種

ハロルド・クレンプ著「Past Lives, Dreams, and Soul Travel(過去世、夢、魂の旅)」の一節を読んで、この物語に込められたスピリチュアルなメッセージについて考えてみてください:  

過去世に関する学びのヒント

過去世の夢を呼び覚ますには、人や物の好き嫌いのリストを作ってみて下さい。また、ある国や地域、歴史上の時代などに特別な魅力を感じている場合もメモしてください。そのような興味には理由があるのです。

そして、夢に意識を向けましょう。



英語版: Releasing the Past with My Sled Dog